11月12日週刊文春が報じた、島根大病院の派閥争いと腎臓医療の利権をめぐる「白い巨塔」事件。一人の優秀な医師を排除するための目的で行われたという不自然な教授選、選ばれたのは送り込まれた刺客だった。
派閥争い、腎臓医療の利権、不自然な教授選、島根大病院の闇をお伝えします。
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主な登場人物「まるで白い巨塔」
まずこの問題の詳細を読み解くうえで知っておきたい人物が2人います。一人は腎臓内科医として全国でも有名な「伊藤孝史氏」。そしてもう一人が島根大病院の病院長である「椎名浩昭氏」。
まずはこちらの2人の経歴からみていきましょう。
伊藤孝史氏「腎臓内科の第一人者として全国でも有名」
【出身大学】
1992年 広島大学医学部卒業
【資格】
腎臓専門医・指導医
透析専門医・指導医
総合内科専門医・指導医
アフェレシス専門医
老年病専門医・指導医
笑い療法士 2級
FACP専門医
島根県臨床研究指導医講習修了
医師会認定産業医
【専門】
腎臓内科
【趣味】
笑うこと
伊藤孝史氏は2005年に島根大病院に講師として着任し、日本腎臓学会の幹事を務め、島根大病院では准教授として「ワーキング・イノベーションセンター」センター長も務めています。
伊藤孝史氏は高齢化が進み透析患者が増える島根県で腎臓診療を進めて後進を育成してきました。そのおかげで、20年前までは県内に9人しかいなかった腎臓専門医が、現在では27人までにも増えました。そのすべてが伊藤孝史氏の教え子だといいます。
椎名浩昭氏「島根大病院の病院長」
【出身大学】
1985年 島根医科大学医学部(現:島根大学医学部)卒業
【経歴】
米カリフォルニア大学サンフランシスコ校留学
島根大学医学部泌尿器科主任教授
同医学部附属病院副病院長
2021年4月 島根大病院長に就任
【座右の銘】
先入観を持たず素直な心で臨む「虚心坦懐」
椎名浩昭氏は、島根大学医学部の前身の島根医科大学出身で、島根大病院では初の「生え抜き病院長」とのことです。
病院長に就任する前は、腎臓を含む泌尿器の病気や外科手術を扱う泌尿器科の教授でした。
派閥争い不自然な教授選「新教授は病院長が送り込んだ刺客」
(不自然に2回も公募がし直され、延期が続いたという教授選)
【教授選が行われることになった経緯と不自然に繰り返される公募】
- 島根大病院の腎臓内科には正規の教授職がいなかった
- 腎臓内科に教授職をつけることが決まり教授選を行うことになった
- 教授選のテーマ『地域医療』は伊藤孝史氏が積み上げた実績そのもの
- 伊藤孝史氏と複数名が最初から応募していた
- にもかかわらず再公募、再々公募と2回も公募がし直され教授選延期が続いた
「本学医学部附属病院では過日、腎臓内科を担当する教授を公募いたしましたが、さらに広く人材を求めるため、このたび再公募を行うことといたしました」
そして、やっと教授選が実施され新教授が決定しまいた。誰もが伊藤孝史氏の教授で決まりと思っていたのに予想外の外部からの候補者に決まってしまいました。
新教授は「慶応大学医学部で専任講師を務める医師」とのことで島根県とは縁もゆかりもない人物で「病院長が伊藤先生を追い出すために呼んだ」とも言われています。
派閥の長である椎名病院長にしてみれば、伊藤孝史氏の人気ぶりは当然看過できないものであったにちがいありません。
これは、島根県内にある、とあるクリニック院長がはなしていたことです。
それに加えて腎臓医療の利権も絡んでいるようです。
腎臓医療の利権とは「ドル箱の人工透析」
人工透析は病院にとってはまさに「ドル箱」の医療なんですね。「ドル箱」をもたらしてくれる診療科が病院内では優位にたてて発言力ももつことができるということです。
伊藤孝史氏が島根大病院の腎臓内科に着任する前までは、椎名病院長の専門である泌尿器科が「ドル箱」だったが、伊藤孝史氏着任後は「ドル箱」が腎臓内科に移っていったということのようです。
椎名病院長にしてみれば、伊藤孝史氏に発言力までもたれるのではと邪推したとも考えられます。
伊藤孝史氏が退職の意向を固める「後追い一斉退職へ」
この一件を受けて伊藤孝史氏が来年3月末で退職する意向を固めたとのことです。そして伊藤孝史氏の下についている大学病院の腎臓専門医6人のうち2人が3月末での退職を決意し、残りの4人も移籍先をさがしているようです。

医者の世界も大変ですね
一番困るのは誰「結局患者さん」
島根大病院は県の中核病院であり、県内唯一の献腎移植認定施設でもある。そこから医師が一斉に退職したらどうなるでしょうか。
近年は慢性腎臓病の患者数が年々増加傾向にあり、今では20歳以上の8人に1人がかかる新たな国民病となっており、放置すると末期腎不全になり、人工透析や腎移植が必要になることもあります。
もしこのまま腎臓専門医不足となり、腎臓医療が崩壊してしまったら・・・
週刊文春が椎名病院長を電話での直撃を試みたところ

まだ決まっていないので……お断りいたします
と質問をさえぎられ、けんもほろろに電話を切られたとのことでその後訪問取材にも応じてもらえない状態とのことでした。
【追記】地域医療崩壊危機よりも犯人捜し優先する病院長
11月12日週刊文春の報道を受けて、島根大病院では匿名で取材を受けた人間の特定に躍起になっているということです。
取材を受けたとして、椎名病院長にとっては目の上のたん瘤的存在の伊藤孝史医師が、椎名病院長と副病院長と医学部長の3人に呼び出されたといいます。
椎名病院長・副病院長・医学部長といえば島根医科大学時代の同期で派閥を牛耳っている3トップになります。
そして、文春の取材に対して伊藤孝史医師は自宅のインターホン越しに
と記者の取材を断っているにもかかわらず、取材を受けたことにされているといいます。
ですが文春は椎名病院長にも取材を試みています。
このように、伊藤孝史医師と同じように断っています。
病院関係者によると
同じように取材を断っているのに伊藤孝史医師には処分が下され、椎名病院長はおとがめなしって随分理不尽ですね。
伊藤孝史医師はもう島根県内では仕事ができないであろうといわれています。
伊藤孝史医師の下にいる腎臓の専門医7人も一斉に辞めることが決まっており、このままでは本当に地域医療崩壊となってしまい犯人捜しなどやっている場合ではないはずです。
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